事業再構築補助金の解説をします。本解説においては、理解の容易さを主眼とし、適宜文言の省略・変更等を行っています。実際の運用においては、必ず経産省のホームページをご確認ください。
1.事業の目的
本事業は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、当面の需要や売上の回復が期待し難い中、ウィズコロナ・ポストコロナの時代の経済社会の変化に対応するために新分野展開、業態転換、事業・業種転換、事業再編又はこれらの取組を通じた規模の拡大等、思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援することで、日本経済の構造転換を促すことを目的とします。
2.補助対象者
本事業の補助対象者は、中小企業者等及び中堅企業等です。中小企業者等、中堅企業等の要件(抜粋)を下表に示します。小規模事業者等は中小企業者等に含まれますが、参考に要件を下表に示します。
3.補助対象事業の類型及び補助率等
本事業には、①成長枠、②グリーン成長枠、③卒業促進枠、④大規模賃金引上促進枠、⑤産業構造転換枠、⑥最低賃金枠、⑦物価高騰対策・回復再生応援枠の7つの事業類型があります。各事業類型の概要を下表に示します。
各事業類型に共通する項目として、補助事業実施期間は、交付決定日から12か月以内、採択発表日から14か月後までです(グリーン成長枠は、同14か月、16か月)。補助事業実施期間に、契約(発注)、納入、検収、支払及び補助事業実績報告書の提出等のすべての事業の手続きが完了することが必要となります。
4.補助対象事業の要件
補助対象事業要件の概要は、成長枠は、①付加価値額が年率4%で増加すること、②過去または今後10年間で市場規模が10%以上拡大する業種・業態に属していること、③給与支払総額を年率2%で増加させること等です。大規模賃金引上げ促進枠は、①成長枠・グリーン成長枠に申請していること、②事業場内の最低賃金を45円以上引き上げること、③従業員数を年率1.5%増加させること等です。産業構造転換枠は、①付加価値額が年率3%で増加すること、②過去または今後10年間で市場規模が10%以上縮小する業種・業態に属しており、かつ別の業種・業態の新規事業を実施すること等です。最低賃金枠は、①付加価値額が年率3%で増加すること、②2022年1月以降の3か月の売上高が、2019~2021年の同3か月と比較して、10%以上減少していること、③2021年10月~2022年8月までの間で、最低賃金+30円以上で雇用している従業員が10%以上いること等です。物価高騰対策・回復再生応援枠は、①付加価値額が年率3%で増加すること、②2022年1月以降の3か月の売上高が、2019~2021年の同3か月と比較して、10%以上減少していること等です。
事業再構築の類型の概要を下表に示します。
応募申請にあたっての留意点を下表に示します。
不採択又は交付取り消しとなる事業を下記に示します。
5.事業のスキーム
申請者と事務局間の書類等の流れを下図に示します。
6.応募手続き等の概要
(1)公募期間
第12回の公募スケジュールは以下のとおりです。
公募開始:未定
申請受付:未定
応募締切:未定
(2)申請方法
申請は、電子申請システムのみで受け付けます。
本事業の申請には、原則GビズIDプライムアカウントの取得が必要です。
(3)審査結果の通知・公表
採択の決定後、採択・不採択の結果を事務局から通知します。採択となった案件については、受付番号、商号又は名称(法人番号を含む)、補助事業計画名(30字程度)、事業計画書の概要(100字程度)、認定経営革新等支援機関名等を公表します。また、審査の結果については、今後のフォローアップの参考として事業計画の策定を行った認定経営革新等支援機関等に対して通知する場合があります。
なお、形式的な不備等により申請要件を満たさなかった申請者に対しては、採択結果の公表前に、その旨を事務局から通知します。
(4)採択後の手続き
採択決定後、補助対象経費を精査していただき、補助金の交付申請手続きを行っていただきます。この際、事務局の審査の結果、計上された経費が補助対象外であると判断されるときは、交付決定額が減額となる場合がありますので、予めご了承ください。なお、交付決定額は、採択決定時点の補助金申請額を上回ることはできませんのでご注意ください。また、交付決定後に補助事業実施場所を変更することは原則として認められません。事業計画期間中、事業化状況報告書等の内容から各認定経営革新等支援機関等のフォローアップ状況を調査し、各認定支援機関ごとに、その結果を公表いたします。
7.補助対象経費
補助対象となる経費の概要を下表に示します。
対象経費は、原則、交付決定を受けた日付以降に契約(発注)を行い、補助事業実施期間内に支払いを完了したものとなります。ただし、事務局から事前着手の承認を受けた場合には、令和4年12月2日以降に発生した経費についても補助対象とすることが可能です。
なお、応募審査では本補助金の趣旨に沿った事業計画を策定しているか確認し、評価の高いものから採択されますが、採択されたことをもって応募時に計上している経費がすべて補助対象として認められる訳ではございません。
補助対象とならない経費を下表に示します。
補助対象経費全般にわたる留意事項を下表に示します。
8.事前着手申請の手続き
交付決定前に補助事業を開始された場合は、原則として補助金の交付対象とはなりません。
ただし、本事業においては、新型コロナウイルス感染症の影響の長期化による事業活動への影響等も鑑み、早期の事業再構築を図っていただくために必要となる経費について、補助金の交付決定前であっても事務局から事前着手の承認を受けた場合は、令和4年12月2日以降に購入契約(発注)等を行った事業に要する経費も補助対象経費とすることができます。
① 受付期間 未定~ 交付決定日 まで
② 提出方法
応募される方は、本事業の申請とは別に、事前着手のための申請を事務局にjGrantsよりご提出ください。
③ 事前着手の承認の可否の通知等
事前着手の承認の可否を決定後、順次、結果を通知します。通常、申請から10日~2週間程度を目安に通知を行う予定ですが、内容や申請状況によってはさらに期間を要する場合がありますので、ご了承ください。
9.交付決定後に遵守すべき事項
本事業の交付決定を受けた場合は、以下の条件等を守らなければなりません。
10.事業計画作成における注意事項
事業計画作成における注意項目を下表に示します。
必要な添付資料を下表に示します。
審査項目、加点項目を下表に示します。
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当事務所では、事業再構築補助金の申請支援を行っております。お気軽にご相談ください。