京都府地球温暖化対策条例(以下、本条例)の解説をしていきます。
工場等の中小企業者事業者向けに、上位法(地球温暖化対策推進法、省エネ法、建築物省エネ法、都市緑化法、フロン排出抑制法)を引用しながら、本条例、規則等の必要な部分のみ解説します。他都道府県、市町村の条例であっても本条例と比較しながら確認すれば、理解の助けになると思います。
本解説においては、理解の容易さを主眼とし、適宜文言・表の省略・変更等を行っています。実際の運用においては、必ず法律、条例等の原文を確認ください。
第1章 総則
(定義)
第1条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(7) 温室効果ガスの総排出量 温室効果ガスである物質ごとに規則で定める方法により算定される当該物質の排出量に当該物質の地球温暖化係数(温室効果ガスである物質ごとに地球の温暖化をもたらす程度の二酸化炭素に係る当該程度に対する比を示す数値として規則で定める係数をいう。)を乗じて得た量の合計量(温室効果ガスの排出を削減したとみなすことができるものとして規則で定めるものにより得た量がある場合には、当該量を減じた量)をいう。
<解説>
温室効果ガスの排出量は、下記の①と②を合計したものです。
①エネルギー起源の二酸化炭素排出量
②非エネルギー起源の各種温室効果ガスに地球温暖化係数(GWP)を乗じて得た二酸化炭素換算排出量
代表的な温室効果ガスについて、エネルギーごと、機械ごとの排出二酸化炭素換算量の概略を下表に示します。このうち電気は、関西電力の調整後排出係数を用いています。他電力会社を使用している場合は、その電力会社の排出係数による算出が必要です。
実際の運用においては、条文の数値、計算式を用いて算出した値を使用してください。
第2章 地球温暖化対策の推進
第1節 府による地球温暖化対策
(府による地球温暖化対策)
第9条 府は、地球温暖化の防止等に関し、次に掲げる施策を実施するものとする。
(2) 環境マネジメントシステム(環境に配慮した事業活動を自主的に進めるための目標を決定し、当該目標を達成するための継続的な改善を図る仕組みであって規則で定めるものをいう。以下同じ。)の普及に関すること。
<解説>
本条例で定める環境マネジメントシステムは、次に掲げるものです。
・ISO14001
・KES・環境マネジメントシステム・スタンダード
・エコアクション21
・グリーン経営認証
・エコステージ
・エコ京都21アドバンス、エコ京都21マイスター
第2節 事業活動に係る地球温暖化対策
(環境マネジメントシステムの導入等)
第16条 事業者は、地球温暖化対策を円滑かつ効果的に推進するため、環境マネジメントシステムの導入及び推進に努めるものとする。
2 事業活動に伴う温室効果ガスの排出の量が相当程度多い事業者として規則で定める者(以下「特定事業者」という。)は、事業活動の主たる事業所その他規則で定める事業所のいずれかにおいて環境マネジメントシステムを導入し、推進しなければならない。
3 特定事業者は、規則で定めるところにより、環境マネジメントシステムの導入又は推進に係る報告書を作成し、知事に提出しなければならない。
4 知事は、前項の規定による報告書の提出があったときは、速やかに、その旨及びその概要を公表しなければならない。
<解説>
特定事業者に該当する場合、環境マネジメントシステムの導入、報告書作成・提出の義務が生じます。
特定事業者は、①エネルギー使用量、または②非エネルギー起源の温室効果ガス排出量で判定されます。チェーン店事業者は、府内の全ての加盟店を合計した数値で判定されます。自動車運送事業者と鉄道事業者は、自動車や車両の保有台数で判定されます。特定事業者の判定基準と、代表的なエネルギーの原油換算量を下表に示します。
①エネルギー使用量と②非エネルギー起源の温室効果ガス排出量の要件は、地球温暖化対策推進法(温対法)と同じですが、本条例では事業の活動地域が府内に限定されます。自動車運送事業者と鉄道事業者は、本条例独自の上乗せ規制です。
②非エネルギー起源の温室効果ガス排出量は、対象温室効果ガスの種類ごとに算出した換算二酸化炭素量が判定基準であって、全種類の合計量ではありません。
規則で定める事業所とは、温室効果ガスの排出の量が削減される効果が大きい事業所であって、次に掲げるものです。
①温室効果ガスの排出の量が最も多い事業所
②床面積の合計が最も大きい事業所
③従業者の数が最も多い事業所
④その他知事が適当と認める事業所
環境マネジメントシステム導入報告書の提出は、毎年度7月末日までに行う必要があります。
(事業者排出量削減計画書の作成等)
第18条 特定事業者は、事業活動に伴う温室効果ガスの排出の量の削減を図るため、規則で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した規則で定める期間(以下「計画期間」という。)に係る計画書(以下「事業者排出量削減計画書」という。)を作成し、知事に提出しなければならない。
(1) 特定事業者の氏名及び住所(法人にあっては、名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)
(2) 事業活動に伴う温室効果ガスの排出の状況
(3) 事業活動に伴う温室効果ガスの排出の量の削減を図るための基本方針、実施しようとする措置の内容及び当該措置により達成すべき目標
(4) 従業者の通勤における自家用自動車等の使用の抑制を図るために実施しようとする措置の内容
(5) 当該計画の推進に係る体制
(6) 前各号に掲げるもののほか、規則で定める事項
2 特定事業者以外の事業者は、規則で定めるところにより、単独又は共同で事業者排出量削減計画書を作成し、知事に提出することができる。
3 前2項の規定により事業者排出量削減計画書を提出した事業者(以下「計画書提出事業者」という。)は、事業者排出量削減計画書の内容を変更したときは、規則で定めるところにより、変更後の事業者排出量削減計画書を知事に提出しなければならない。
4 計画書提出事業者は、事業者排出量削減計画書に基づき、温室効果ガスの排出の量を削減しなければならない。
<解説>
特定事業者は、3年ごとに事業者排出量削減計画書を提出する必要があります。計画期間は2011年から3年ごとの区切りで、提出年度も同区切りの年度です。つまり、計画開始年度に関わらず、すべての特定事業者が同じ年度に計画書を提出します。提出期限は区切りの年度の9月末日です。
計画書の内容は、本条例、規則、京都府地球温暖化対策指針(以下、指針)に定められている項目の記載が必要です。特定事業者は削減目標が定められています。目標値と計画書の概要を下表に示します。
府内産木材等であることについては、次の各号に掲げるいずれかの書面により確認できます。
①一般社団法人京都府木材組合連合会から発行された京都府産木材証明書の写し
②一般社団法人緑の循環認証会議から「SGEC認証林産物」の認証を取得したことを証する書面の写し
③森林管理協議会から「FSC森林認証」の認証を取得したことを証する書面の写し
④京都市域産材供給協会から「みやこ杣木」として表示することを認められたことを証する書面の写し
⑤森林法に規定する伐採届の写し
指針第9条第1項第8号の重点対策の概要を下表に示します。
(事業者排出量削減報告書の提出)
第19条 計画書提出事業者は、規則で定めるところにより、事業者排出量削減計画書に基づく措置の実施の状況を記載した報告書(以下「事業者排出量削減報告書」という。)を作成し、知事に提出しなければならない。
<解説>
計画書提出事業者は、計画を実施した翌年度の7月末までに事業者排出量削減報告書を提出する必要があります。提出は毎年度必要です。
報告書の内容は、指針に定められている項目の記載が必要です。下表にその概要を示します。
(事業者排出量削減計画書等の評価)
第19条の2 知事は、第18条第1項又は第2項の規定により事業者排出量削減計画書の提出があったときは、その内容について、知事が別に定める基準に基づき評価を行うものとする。
2 知事は、計画書提出事業者に対し、第18条第4項の規定による温室効果ガスの排出の量の削減について、必要な指導及び助言を行うことができる。
3 知事は、前条の規定により計画期間の最後の年度に係る事業者排出量削減報告書の提出があったときは、その内容について、知事が別に定める基準に基づき評価を行うものとする。
<解説>
評価は、温室効果ガス排出の量の削減の目標について、達成でS又はA、未達でB又はCの評価を行います。目標の成否に関わらず、体制の整備不備などがあればD評価と判断されます。評価の基準の概要を下表に示します。
第3節 建築物に係る地球温暖化対策
(建築物に係る温室効果ガスの排出の抑制等)
第22条 建築物を新築し、又は増築しようとする者は、温室効果ガスの排出の抑制等を図るため、次に掲げる措置を講じるよう努めるものとする。
(1) 断熱構造の導入その他の建築物に係る省エネルギー対策を図ること。
(2) 府内産木材等の使用を促進すること。
2 規則で定める規模以上の建築物(以下「特定建築物」という。)の新築又は規則で定める増築等をしようとする者(以下「特定建築主」という。)は、規則で定める基準に従い、当該建築物の建築又は規則で定める工作物の設置において府内産木材等を使用しなければならない。
<解説>
特定建築主とは、床面積2,000㎡以上の建築物(特定建築物)を新築又は増築する者です。特定建築主は、特定建築物に府内産木材を使用しなければなりません。特定建築物に使用すべき府内産木材等の必要体積は、居室の床面積の平方メートルで表したの数値の平方根の総和に100分の1を乗じて得た数値(使用基準量)以上である必要があります。例えば居室が100㎡の場合、0.01×√100=0.1、必要な府内産の木材の体積は、0.1㎥となります。㎡と㎥が混在してますが、絶対値だけで計算します。
(特定建築物排出量削減計画書の作成等)
第23条 特定建築主は、規則で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した計画書(以下「特定建築物排出量削減計画書」という。)を作成し、知事に提出しなければならない。
(1) 特定建築主の氏名及び住所(法人にあっては、名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)
(2) 特定建築物の名称及び所在地
(3) 特定建築物の概要
(4) 前条第2項に規定する府内産木材等の使用の内容
(5) 温室効果ガスの排出の量の削減を図るため実施しようとする措置の内容
(6) 前各号に掲げるもののほか、規則で定める事項
<解説>
特定建築物排出量削減計画書の提出は、工事着手予定日の21日前までに行う必要があります。特定建築物排出量削減計画書の記載事項、添付資料を下表に示します。
(特定建築物排出量削減計画書に係る工事の完了の届出)
第25条 第23条の規定により特定建築物排出量削減計画書を提出した者は、当該特定建築物に係る工事が完了したときは、規則で定めるところにより、速やかに、知事に届け出なければならない。
<解説>
工事の完了の届出は、当該工事の完了後15日以内に行う必要があります。特定建築物工事完了届出書には、次の各号に掲げる資料を添付する必要があります。
①使用した府内産木材等の種類・量が確認できる証明書等の写し
②府内産木材等の使用基準量の算出の根拠となる資料
③温室効果ガスの排出の量の削減を図るために実施した措置が具体的に分かる資料又は図面
④その他知事が特に必要と認める資料
特定建築主は、計画書、工事完了届出書等を2部提出する必要があります。
第26条の2 この節(第22条第1項を除く。)の規定は、建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(平成27年法律第53号)第18条各号のいずれかに該当する建築物については、適用しない。
<解説>
本条例の規定が建築物省エネ法と重複する場合は、法が優先します。
第4節 緑化の推進による地球温暖化対策
(建築物等の緑化)
第27条 事業者及び府民は、温室効果ガスの排出の抑制等を図るため、その所有し、又は管理する建築物及びその敷地の緑化に努めるものとする。
2 都市計画法第7条第1項の規定による市街化区域のうち、知事が市町村長と協議して定める地域(以下「特定緑化地域」という。)において、建築物(その敷地が規則で定める面積以上のものに限る。)の新築又は規則で定める改築をしようとする者(以下「特定緑化建築主」という。)は、規則で定める基準に従い、当該建築物及びその敷地(以下「特定緑化建築物等」という。)について緑化をしなければならない。
3 特定緑化地域に関し必要な事項は、規則で定めるものとする。
<解説>
特定緑化地域において、敷地面積1,000㎡以上の新築又は改築を行う建築主等は、緑化基準に沿った緑化が必要です。特定緑化地域は、下表に示します。届出は建築確認申請の提出予定日の30日前までに所管の窓口に提出する必要があります。
地上部における緑化面積の基準は、下表に示します。太陽光発電装置を設置する場合は、太陽光パネルを緑化面積に算入することができます。
(適用除外)
第32条 第27条第2項の規定は、都市緑地法第5条の規定による緑地保全地域内の建築物及びその敷地その他の規則で定める建築物及びその敷地については、適用しない。
<解説>
次の各法律により、本条例による基準と同等以上の緑化が担保されているもの及び建築物等に制限のあるものは適用除外となります。
第5節 自動車交通に係る地球温暖化対策
(事業者のアイドリング・ストップの遵守指導等)
第35条 事業者は、その管理する自動車等を運転する者に対し、前条の規定によるアイドリング・ストップを行うよう、指導その他の適切な措置を講じなければならない。
<解説>
事業者は、朝礼又は研修などの機会を通じて指導等を行う必要があります。
(駐車場の設置者等によるアイドリング・ストップの周知)
第36条 規則で定める駐車場の設置者及び管理者は、当該駐車場の利用者に対し、第34条の規定によるアイドリング・ストップを行うよう、看板の設置その他の規則で定める方法により周知しなければならない。
<解説>
駐車場の面積が500㎡以上の場合、該当します。事業者は、次のことが求められます。
①本条例に基づき、アイドリング・ストップが義務とされている旨を日本語で簡潔明瞭に表示すること
②看板又はポスター等は、当該駐車場において駐車又は停車しようとする自動車等の運転者に見えやすい場所に掲出すること
(温室効果ガスを排出しない自動車等の購入等)
第37条 自動車等を購入しようとする者は、電気自動車等その他の温室効果ガスを排出しない又は温室効果ガスの排出の量が少ない自動車等を購入するよう努めるものとする。
2 自動車等を使用しようとする者は、使用することができる自動車等が複数あるときは、温室効果ガスの排出の量がより少ない自動車等を使用するよう努めるものとする。
3 事業者は、電気自動車等その他の温室効果ガスを排出しない又は温室効果ガスの排出の量が少ない自動車等の提供に努めるものとする。
4 多数の者が利用する駐車場を設置する事業者は、当該駐車場における充電設備の整備及び電気自動車等を優先的に駐車するための区画の設置に努めるものとする。
(自動車販売事業者による自動車環境情報の周知等)
第38条 自動車の販売を業とする者(以下「自動車販売事業者」という。)は、道路運送車両法第4条の規定による登録を受けていない自動車(以下「新車」という。)を購入しようとする者に対し、その販売する新車に係る自動車環境情報(自動車に関する温室効果ガスの排出の量その他の規則で定める事項をいう。以下同じ。)について説明しなければならない。
2 規則で定める自動車販売事業者は、規則で定めるところにより、その販売員が新車に係る自動車環境情報について適切に説明することを推進する者を選任し、その氏名その他必要な事項を知事に届け出なければならない。
<解説>
前年度において新車を100台以上販売した自動車販売事業者は、新車販売時、自動車環境情報の説明が必要です。自動車環境情報は、次に掲げるものです。
①温室効果ガスの排出の量
②燃料消費率
③排出ガス
④エアコンディショナーの冷媒の種類及びその使用量
⑤リサイクルに関する情報
⑥その他地球温暖化対策指針で定める自動車環境情報
⑦排出ガスに含まれる次に掲げる物質の量
一酸化炭素、炭化水素、窒素酸化物、粒子状物質(軽油)
⑧再生利用が容易な材料を使用した部品その他資源の有効利用に関するもの
⑨その他知事が別に定めるもの
知事が指定する講習を修了した者のうちからエコカーマイスターを選任し、選任してから速やかに選任届出書を届け出る必要があります。
(エコドライブを推進する者の選任等)
第39条 規則で定める台数以上の自動車等を管理する事業者は、規則で定めるところにより、その管理する自動車等を運転する者がエコドライブを行うことを推進する者を選任し、その氏名その他必要な事項を知事に届け出なければならない。
<解説>
50台以上の自動車等を管理する事業者は、知事が指定する講習を修了した者のうちからエコドライブマイスターを選任し、選任してから速やかに選任届出書を届け出る必要があります。
(物流に係る温室効果ガスの排出の抑制)
第40条 事業者は、物流に係る温室効果ガスの排出の抑制を図るため、配送の共同化その他の適切な措置を講じるよう努めるものとする。
2 事業者及び府民は、物流に係る温室効果ガスの排出の抑制を図るため、事業活動及び日常生活に関し、貨物等の発送、配達及び受取に当たっては、受取人の不在等の事由により再度の配達の必要を生じないよう努めるものとする。
第7節 再生可能エネルギーの利用等による地球温暖化対策
(再生可能エネルギーの優先的利用)
第44条 事業者及び府民は、温室効果ガスの排出の抑制を図るため、事業活動及び日常生活に関し、再生可能エネルギーの優先的な利用に努めるものとする。
(特定電気機器等に係る省エネルギー性能の表示等)
第43条 温室効果ガスの排出の量が相当程度多い電気機器等として規則で定めるもの(以下「特定電気機器等」という。)の販売を業とする者(店舗において販売する者に限る。以下「特定電気機器等販売事業者」という。)は、規則で定めるところにより、当該店舗の見やすい場所に、当該特定電気機器等に係る省エネルギー性能(エネルギーの消費量との対比における特定電気機器等の性能として規則で定める方法により算定した数値をいう。以下同じ。)に関する情報を適切に表示しなければならない。
2 特定電気機器等販売事業者は、特定電気機器等を購入しようとする者に対し、その販売する特定電気機器等に係る省エネルギー性能について説明しなければならない。
3 規則で定める特定電気機器等販売事業者は、規則で定めるところにより、その販売員が特定電気機器等に係る省エネルギー性能について適切に説明することを推進する者を選任し、その氏名その他必要な事項を知事に届け出なければならない。
<解説>
特定電気機器等を下表に示します。
特定電気機器等の省エネルギー性能に関する情報は、「ネルギーを消費する機械器具の小売の事業を行う者が取り組むべき措置(平成18年経済産業省告示第258号)」に規定する様式で表示します。
1,000平方メートル以上の売場面積(電気機器等)で特定電気機器等を販売する特定電気機器等販売事業者は、知事が指定する講習を修了した者のうちから省エネマイスターを選任し、選任の日から速やかに、省エネマイスター選任届出書を届出る必要があります。
第8節 環境物品等の購入等の促進による地球温暖化対策
(環境物品等の購入等の促進)
第48条 事業者及び府民は、温室効果ガスの排出の抑制を図るため、物品を購入し、若しくは借り受け、又はサービスの提供を受ける場合には、環境配慮事業者等から提供される環境物品等を選択するよう努めるものとする。
2 事業者は、環境物品等の購入等の推進を図るための方針を作成するよう努めるものとする。
第9節 廃棄物の発生抑制等による地球温暖化対策
(廃棄物の発生抑制等)
第49条 事業者、府民及び観光旅行者等は、温室効果ガスの排出の抑制を図るため、事業活動、日常生活又は滞在中の活動に関し、廃棄物の発生抑制、再使用及び再生利用その他資源の有効利用に努めるものとする。
2 事業者は、廃棄物の処理に当たっては、温室効果ガスの排出を抑制するよう努めるものとする。
第10節 冷媒用代替フロンの排出の抑制等による地球温暖化対策
(冷媒用代替フロンの適切な管理)
第49条の3 冷媒用代替フロン使用機器を所有する者は、その使用時及び当該機器の廃棄時における冷媒用代替フロンの放出及び漏出を防止するための措置を講じるよう努めるものとする。
2 規則で定める特定事業者は、規則で定めるところにより、冷媒用代替フロンの使用の状況等に係る報告書を作成し、知事に提出しなければならない。
3 知事は、前項の規定による報告書の提出があったときは、速やかにその旨及びその概要を公表しなければならない。
<解説>
特定事業者(貨物以外の自動車運送事業者は除く)は、次の事項を記載した前年度の冷媒用代替フロン使用状況等報告書を作成し、毎年度7月末日までに提出する必要があります。
①冷媒用代替フロンを使用した第一種特定製品の台数等
②充塡又は回収が行われた冷媒用代替フロンの量
③冷媒用代替フロンの漏えい防止のための冷媒用代替フロン使用機器の管理体制
④冷媒用代替フロンの漏えい防止のための取組の実施状況
⑤ノンフロン製品又は地球温暖化係数が低い冷媒の製品の導入方針
第11節 森林の保全及び整備等による地球温暖化対策
(森林の保全及び整備等の推進)
第50条 事業者、府民及び環境保全活動団体は、森林の持つ温室効果ガスの吸収及び固定の作用に関する理解を深めるとともに、連携し、及び協働して、森林の適切な保全及び整備並びに府内産の木材その他の森林資源の利用の推進に努めるものとする。
第11節の2 気候変動適応に係る地球温暖化対策
(気候変動適応に関する基本的事項)
第51条 府は、地域の特性を踏まえ、気候変動影響に係る被害の軽減又は回避及び気候変動影響に係る効果の活用の両面から気候変動適応に関する施策を推進するものとする。
2 事業者及び府民は、事業活動及び日常生活に及ぶ気候変動影響に関する情報の収集並びに気候変動適応に関する知識及び技能の習得に努めるものとする。
第11節の3 環境教育及び環境学習の推進等による地球温暖化対策
(環境教育及び環境学習の実施)
第52条 府は、学校、家庭、事業者、地域社会等と連携し、幅広い世代を対象に、学校教育、社会教育その他あらゆる機会を通じて、地球温暖化の防止等のための環境教育及び環境学習の推進に努めるものとする。
2 事業者は、その従業員に対し、地球温暖化の防止等のための関心、理解及び行動を促すよう努めるものとする。
3 大学、短期大学その他の教育研究機関は、地球温暖化の防止等に貢献する人材の育成を図るとともに、その学生に対し、地球温暖化の防止等のための関心、理解及び行動を促すよう努めるものとする。
第12節 環境産業の育成等による地球温暖化対策
(環境産業の育成等)
第53条 事業者、環境保全活動団体及び大学、短期大学その他の教育研究機関は、連携し、及び協働して、地球温暖化の防止等に貢献する環境技術の研究開発及び環境産業の育成に努めるものとする。
第13節 国際協力の推進による地球温暖化対策
(国際協力の推進)
第54条 事業者、府民及び環境保全活動団体は、連携し、及び協働して、地球温暖化の防止等に貢献する環境技術の普及、研修の実施、情報の提供その他の取組により国際協力の推進に努めるものとする。
第5章 雑則
(市町村の条例との関係)
第64条 市町村がこの条例に定める手続その他の内容に関して条例を制定した場合において、当該条例の規定で、この条例の規定と同等以上の効果を有するものとして規則で定めるものが適用される市町村の区域については、当該規定に相当する規則で定める規定は、適用しない。
<解説>
本条例の適用が除外されるのは、京都市地球温暖化対策条例の環境マネジメントシステムの導入(第32条)、事業者排出量削減計画書・報告書、評価、指導・助言(第37~41、43、44条)、建築物排出量削減計画書、指導・助言(第49~55条)、緑化計画書(第67~69、71、72条)の項目です。
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