京都府再生可能エネルギーの導入等の促進に関する条例 解説

京都府再生可能エネルギーの導入等の促進に関する条例 解説

 京都府再生可能エネルギーの導入等の促進に関する条例(以下、本条例)について、工場等の中小企業者事業者向けに、関連条例等(京都府再生可能エネルギーの導入等の促進に関する条例施行規則、京都府再生可能エネルギーの導入等の促進に関する指針、京都府地球暖化対策条例、京都市地球暖化対策条例)を参照しながら、義務規定を中心に解説します。

 本解説においては、理解の容易さを主眼とし、適宜文言・表の省略・変更等を行っています。実際の運用においては、必ず法律、条例等の原文を確認ください。

第1章 総則
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 再生可能エネルギー 京都府地球温暖化対策条例(平成17年京都府条例第51号。以下「対策条例」という。)第1条第5号に規定する再生可能エネルギーをいう。

<解説>
 再生可能エネルギーとは、太陽光、風力、水力、地熱、太陽熱、バイオマスを利用したエネルギーのことです。

第2章 再生可能エネルギーの導入等の促進に係る施策
第1節 建築物に係る施策
(特定建築物への再エネ設備の導入等)
第7条 特定建築主(対策条例第22条第2項に規定する特定建築主をいう。以下同じ。)は、規則で定める場合を除き、規則で定める基準に従い、特定建築物(同項に規定する特定建築物をいう。以下同じ。)への再エネ設備の導入(その敷地(建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)第1条第1号に規定する敷地をいう。以下同じ。)に再エネ設備を設置して導入する場合を含む。)をしなければならない。
2 特定建築主は、当該特定建築物への効率的利用設備の導入(その敷地に効率的利用設備を設置して導入する場合を含む。)をするよう努めるものとする。
3 特定建築主は、規則で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した特定建築物再生可能エネルギー導入計画書(再エネ設備(効率的利用設備を導入するときは、再エネ設備及び効率的利用設備(以下「再エネ設備等」という。))の導入の内容を記載した計画書をいう。以下同じ。)を作成し、知事に提出しなければならない。

(1) 特定建築主の氏名及び住所(法人にあっては、名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)
(2) 特定建築物の名称及び所在地
(3) 特定建築物の概要
(4) 再エネ設備又は再エネ設備等の導入の内容
(5) 前各号に掲げるもののほか、規則で定める事項
4 特定建築物再生可能エネルギー導入計画書の内容の変更、特定建築物再生可能エネルギー導入計画書に係る工事の完了の届出及び特定建築物再生可能エネルギー導入計画書等の公表については、対策条例第24条から第26条までの規定を準用する。この場合において、対策条例第24条から第26条までの規定中「特定建築物排出量削減計画書」とあるのは「特定建築物再生可能エネルギー導入計画書」と、対策条例第24条中「前条」とあり、対策条例第25条及び第26条中「第23条」とあるのは「京都府再生可能エネルギーの導入等の促進に関する条例第7条第3項」と、対策条例第26条中「第24条」とあるのは「京都府再生可能エネルギーの導入等の促進に関する条例第7条第4項において準用する対策条例第24条」と、「前条」とあるのは「同条例第7条第4項において準用する対策条例第25条」と読み替えるものとする。

<解説>
 特定建築主(床面積2000㎡以上の建築物を新築又は増築する者)は、再エネ設備の導入の義務があります。ただし①建築面積が150㎡未満の場合②再エネ設備を導入することができない建築物として知事が別に定めるものである場合は、義務が免除されます。再エネ設備とは、第2条の太陽光等で、30,000MJ/年以上の熱量を得られるものです。建築面積とは水平投影面積のことで床面積とは異なるので注意ください。伊根町伝統的建造物群保存地区保存条例に基づく保存地区内の建築物も設置義務が免除されます。京都市の区域においては、「京都市地球温暖化対策条例」が適用されるので、各種条件が異なります。
 特定建築主は、特定建築物再生可能エネルギー導入計画書を作成し、知事に提出しなければなりません。

(建築士による再エネ設備の導入等に係る説明)
第7条の3 特定建築物、準特定建築物又は小規模建築物(準特定建築物の規模未満で規則で定める規模の建築物をいう。)の設計者(設計(建築士法(昭和25年法律第202号)第2条第6項に規定する設計をいう。)を行う建築士(同条第1項に規定する建築士をいう。)をいう。以下同じ。)は、これらの建築物の設計を行うときは、当該設計の委託をした建築主に対し、当該建築物への再エネ設備の導入等について、規則で定める事項を記載した書面又は記録した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)を交付して説明しなければならない。
2 前項の規定は、前項の設計の委託をした建築主から、規則で定めるところにより、同項の規定による説明を要しない旨の意思の表明があった場合については、適用しない。
3 特定建築物又は準特定建築物の設計者は、第1項の規定による説明をしたときは、当該説明において交付した書面の写し又は電磁的記録を規則で定める日まで保存しなければならない。

<解説>
 300㎡以上の床面積の建築物の設計者は、建築主に対し、再エネ設備の導入等について書面等で説明する必要があります。

第2節の2 特定事業者に係る施策
(特定事業者に係る施策)
第9条の2 特定事業者(対策条例第16条第2項に規定する特定事業者をいう。以下同じ。)は、規則で定めるところにより、事業活動の主たる事業所その他規則で定める事業所における再生可能エネルギーの導入等に係る報告書を作成し、知事に提出しなければならない。
2 知事は、前項の規定による報告書の提出があったときは、規則で定めるところにより、速やかに、その旨及びその概要を公表しなければならない。
3 知事は、再生可能エネルギーの導入等の促進のため必要があると認めるときは、特定事業者に対し、その事業活動に関して取り組むべき再生可能エネルギーの導入等の基準として知事が別に定めるものを勘案して、必要な指導及び助言を行うものとする。

<解説>
 府温対条例の特定事業者で、エネルギー使用量が500㎘/年以上の事業所がある者は、再生可能エネルギーの導入等に係る報告書を作成し、毎年度7月31日までに知事に提出しなければなりません。

 当事務所では、京都府再生可能エネルギーの導入等の促進に関する条例に関する届出代理、法務コンサルティングを行っております。お気軽にご相談ください。

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