小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金

 小規模事業者持続化補助金の解説をします。本解説では、理解の容易さに主眼を置き、適宜内容の省略等を行っています。運用にあたっては、必ず小規模事業者持続化補助金特設ホームページを確認してください。

1.事業概要

 小規模事業者等が今後複数年にわたり相次いで直面する制度変更等に対応するために取り組む販路開拓等の取組の経費の一部を補助することにより、地域の雇用や産業を支える小規模事業者等の生産性向上と持続的発展を図ることを目的とします。本補助金事業は、持続的な経営に向けた経営計画に基づく、地道な販路開拓等の取組や、その取組と併せて行う業務効率化(生産性向上)の取組を支援するため、それに要する経費の一部を補助するものです。

2.補助対象者

(1)小規模事業者であること
 小規模事業者の要件を以下に示します。

(2)資本金又は出資金が5億円以上の法人に直接又は間接に100%の株式を保有されていないこと(法人のみ)
(3)確定している(申告済みの)直近過去3年分の「各年」又は「各事業年度」の課税所得の年平均額が15億円を超えていないこと
(4)下記2つの事業において、本補助金の受付締切日の前10か月以内に、先行する受付締切回で採択を受けて、補助事業を実施した(している)者でないこと(共同申請の参画事業者の場合も含みます)。

3.補助対象事業

 補助対象となる事業は、次の(1)から(3)に掲げる要件をいずれも満たす事業であることとします。
 複数事業者による共同申請も可能ですが、通常枠のみの申請となり、その場合には(4)の要件も満たす事業であることとします。補助上限額は「1事業者あたりの補助上限額(50 万円)×連携小規模事業者等の数」の金額となります(ただし、500万円を上限とします)。

(1)策定した「経営計画」に基づいて実施する、地道な販路開拓等のための取組であること。あるいは、販路開拓等の取組とあわせて行う業務効率化(生産性向上)のための取組であること。
(2)商工会・商工会議所の支援を受けながら取り組む事業であること
(3)以下に該当する事業を行うものではないこと
 ○同一内容の事業について、国が助成する他の制度(補助金、委託費等)と重複する事業
 ○本事業の終了後、概ね1年以内に売上げにつながることが見込まれない事業
 ○事業内容が射幸心をそそるおそれがあること、または公の秩序もしくは善良の風俗を害することとなるおそれがあるもの、公的な支援を行うことが適当でないと認められるもの
(4)共同申請の場合には、連携する全ての小規模事業者等が関与する事業であること。

4.補助率等

(1)補助率、補助上限額、特別枠要件等は以下のとおりです。

5.補助対象経費

(1)補助対象となる経費は、次に掲げる経費です。

(2)補助対象外となる経費、次に掲げる経費です。

(3)補助対象経費全般にわたる留意事項

①補助対象となる経費は、次の(ア)~(ウ)の条件をすべて満たすものとなります。
(ア)使用目的が本事業の遂行に必要なものと明確に特定できる経費
(イ)交付決定日以降に発生し対象期間中に支払が完了した経費
(ウ)証拠資料等によって支払金額が確認できる経費

②経費の支出等について
 補助対象となる経費は、補助事業期間中に、「販路開拓等の取組」(実際に機械を使用するなど)を実施したことに要する費用の支出に限られます。

③電子商取引等について
 電子商取引を行う場合でも、「証拠資料等によって金額が確認できる経費」のみが対象となります。

④補助事業の区分経理
補助対象経費は当該事業に使用したものとして明確に区分できるもので、かつ証拠書類によって金額等が確認できるもののみとなります。

⑤発注先選定の相見積について
 1件あたり100万円超(税込み)を要するものについては、2社以上から見積を取り、より安価な発注先を選んでください。
 ただし、発注する事業内容の性質上、見積をとることが困難な場合は、該当企業等を随意契約の対象とする理由書を実績報告時にご提出ください。
 なお、中古品の購入については、金額に関わらず、すべて、2社以上からの見積が必須となります。

6.申請手続

(1)受付開始及び締切

(2)申請手続きの基本的な流れ
①必要書類を地域の商工会・商工会議所窓口に提出し、「事業支援計画書」(様式4)の作成・交付を受けてください。
②受付締切までに、必要な提出物を全て揃え、補助金事務局まで電子申請または郵送により提出してください(持参・宅配便での送付は受け付けません)。

 申請、交付等の流れを下記スキーム図に示します。

<申請手続きにおける留意点>
 本事業は、小規模事業者自身が、経営計画・補助事業計画等の作成時や採択後の補助事業実施の際に、商工会・商工会議所の支援を直接受けながら取り組む事業です。このため、社外の代理人のみで、地域の商工会・商工会議所へ相談や「事業支援計画書(様式4)」の発行依頼等を行うことはできません。

(3)電子申請の申請先及び留意事項
 本事業の電子申請に際しては、補助金申請システム(名称:Jグランツ)の利用になります。Jグランツを利用するにはGビズIDプライムアカウントの取得が必要です。

(4)申請書の郵送による提出先
 商工会地区は、所在地ごとに郵送先が異なります。
 商工会議所は、小規模事業者持続化補助金事務局(東京)に送付します。

※申請書類の持参は受け付けません。

(5)提出資料

(6)応募件数
 同一事業者からの同一受付締切回への応募は1件とします。

(7)過去3年間に実施した、全国対象の「小規模事業者持続化補助金」に係る補助事業者からの応募
 過去3年間に実施した、全国向けの「小規模事業者持続化補助金」の公募で採択を受け、補助事業を実施した事業者は、これまでに実施した補助事業と異なる事業であれば申請可能です。異なる事業であることを、「経営計画書」(様式2)の所定の欄に記載してください。

7.採択審査

(1)採択審査方法
 補助金の採択審査は、提出資料について、下記「審査の観点」に基づき、有識者等により構成される審査委員会において行います。

(2)結果の通知
 応募事業者全員(共同申請の場合には代表事業者)に対して、採択または不採択の結果を通知します。

(3)その他留意事項
 ○同一事業者が同一内容で本制度以外の国の補助事業や委託事業等と併願している場合には、不合理な重複および過度な集中を排除するため、重複して採択いたしませんのでご留意ください。
 ○採択された場合であっても、予算の都合等により希望金額から減額される場合があります。

 審査の観点を以下に示します。

8.補助事業実施期間等

 「補助事業実施期間」は、下表のとおりです。
 補助事業実施期間内で、補助事業が終了したときは、その日から起算して30日を経過した日、または「補助事業実績報告書提出期限」のいずれか早い日までに補助事業実績報告書を提出しなければなりません。

9.補助事業者の義務

 本事業の採択となった事業者は、「補助事業の手引き」に従って手続きを進めていただくとともに、以下の条件を守らなければなりません。

①交付決定
 ○本事業については、事業者の利便を考慮し、応募時に「補助金交付申請書」(様式5)を併せて提出していただき、補助金事務局でお預かりした後、採択後に正式受理します。
 ○本事業の採択となった事業者は、補助金の交付に係る必要な手続きを行わなければなりません。
 ○交付申請書の記入にあたっては、消費税等仕入控除税額を減額して申請しなければなりません。
 ○なお、採択となっても、交付決定時点で対象外経費の計上等の不備が発見された場合には、補助金事務局等の指示に従って申請書類の訂正・再提出してください。

②事業計画内容や経費の配分変更等
 交付決定を受けた後、補助事業の経費の配分や内容を変更しようとする場合、または補助事業を中止(一時中断)、廃止(実施取りやめ)や他に承継させようとする場合は、事前に承認を得なければなりま
せん。

③補助金の交付
 補助事業を終了したときは、実績報告書を提出しなければなりません。実施した事業内容の審査と経費内容の確認(見積書、発注書、納品書、請求書、領収書等)等により交付すべき補助金の額を確定した後、精算払いとなります(本事業では、概算払いは一切認められません)。
 なお、補助金は経理上、補助金の額の確定を受けた事業年度における収益として計上するものであり、法人税・所得税の課税対象となります。

④補助対象事業の経理
 補助事業に係る経理について、帳簿や支出の根拠となる証拠書類については、補助事業終了後、当該年度の終了後5年間保存しなければなりません。

10.その他

 補助事業者は、補助事業終了から1年後の状況について、「事業効果および賃金引上げ等状況報告」を、補助事業実施後、全国商工会連合会が指定する期限までに必ず行うことが必要です。

 当事務所では、小規模事業者持続化補助金の書類作成代理・申請支援を行っています。お気軽にご相談ください。

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